NAKATSUJI
CLINIC
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建物名称:中辻医院
施   主:医療法人桜翔会
建設場所:奈良県吉野郡大淀町桧垣本
建物用途:診療所
構造規模:RC造 地上3階
敷地面積: 1,187.u
建築面積:   540u
延床面積: 1,300u
設計監理:河原泰建築研究室+用舎行蔵
構造協力:満田衛資構造計画研究所
設備設計:環境企画設計+CUBIC設計
竣   工:2010年4月

世界遺産である奈良県の吉野山に向かう街道沿いに建つ透析センターを併設した医院である
 院長は、設備更新の時期を迎えた医院の改修にあたり、外観を一新したいと考えられた。また病院スタッフからは、動線や日射の問題が改善項目としてあげられた。さらにわれわれが感じた居心地の問題点も改善項目に加えて設計を開始した。
 われわれは、綾折りのファサードパネルを既存外壁の上に新たに加え、カーテンを開けられるようにして光を取り戻す提案を行った。
ファサードパネルは、動線の問題を解決するために南西角に移した新たな病院入口を起点にして、幹線道路に面した建物の西側全体を覆う。このパネルは、アルミ板を綾折りにかみあわせて光をバウンドさせることにより、日射を遮りつつパネル背面を明るく照らすことで、建物の中に光を取り戻す装置として機能している。また、角度を振ったパネル面に花模様をくりぬくことで、建物内からはまぶしさを感じることなく外の景色が垣間見えるようにした。穴を透過する光によって、パネル背面に光の花模様を浮かび上がらせ患者の目を楽しませるようにした。
 院長の最大の関心であった外観は、メタリックピンクとシルバーに塗り分けたファサードパネルに、直射光はもちろんのこと、綾折りの隙間や花模様の穴から抜けてくる光、パネル相互で反射しあう光などを絡み合わせることで、刻一刻と表情が変化するようにした。ある時はピンクに染まったパネルに満開の桜が咲き乱れるように花模様が浮かび上がり、またある時は光と影の彫りの深い表情が立体的に迫ってくる。
 病院が立地する場所は、奈良の市街地から世界遺産である吉野山に通じる街道沿いである。この道路は、桜のシーズンに大渋滞となることで有名であり、日常的にも車がないと生活できない南和地方と市街地とを結ぶ重要幹線となっている。今回の改修にあたっては、街道を行きかう観光客や地域の人々に対し、見る方向によって異なるメッセージを発信することはできないかと考えた。

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